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TACが婚活支援

FILE No.4 恋の悩みもTACにお任せ! 婚活支援

栃木県 JAしおのや

農家にとって結婚問題は将来の経営の存続にも関わる重要な問題。TACが事務局として婚活支援を行っているのがJAしおのやだ。

新規就農をめざす研修生のハウスでイチゴ狩りのイベントを開催。参加者はもちろん、研修生にも好評だった

 2010年の総務省「国勢調査」によると、35~39歳の男性の3人に1人、女性の4人に1人が結婚していない未婚大国ニッポン。50歳の時点でも結婚していない「生涯未婚率」も、男性の2割、女性の1割にのぼるという。
 農村では以前から結婚にまつわる問題が横たわっていたが、とくに家族経営の農家の場合は配偶者や子どもの有無が経営の継続にも関わってくる重要な問題であり、全国各地のJAが「婚活」支援を実施している。このうち、栃木県北東部の2市2町を管内とするJAしおのやでは、TACが事務局となって結婚相談事業が行われている。
「TACの訪問先の農業者から『結婚相談にも乗ってほしい』という要望が寄せられたことがきっかけでした」
 と話すのは、JAしおのや営農支援課の相馬良美さん。管内の担い手農業者のなかにも未婚の人が一定数おり、この問題を解決するため、13年にTACが中心となって結婚相談事業がスタートした。
 管内5地区に「結婚相談員」を5人ずつ配置。対象はTACの訪問先である担い手に限定せず、地域在住の結婚を希望する独身男女の情報を収集して事業を紹介し、登録を進めた。そして、登録者の中から結婚相手に求める条件が近い人同士を引き合わせ、おたがいに気に入れば交際を経てゴールイン、というのが事業の内容だ。

JAしおのやの結婚相談事業がきっかけでみごとゴールインした按田浩一さん、愛美さん夫妻

コミュニケーションを深める手段

 また、こうしたお見合いのセッティングのほか、登録者を中心に複数の男女が一堂に会するイベントも主催している。JAしおのやでは、12年に設立したJA出資型農業法人・㈱グリーンさくらが新規就農者育成研修事業を行っており、研修生が管理するハウスでイチゴ狩りをしたり、そのイチゴを使ったケーキ作りをしたりするイベントは、参加者はもちろんのこと、「自分が作ったイチゴを食べて喜んでもらえてうれしかった」と、研修生にも好評だった。
「結婚相談事業を始めて3年、みごと結婚するカップルも誕生しています。ただ残念ながら、いまのところTACの訪問先である担い手農業者で結婚した人はいません」
 と、JAしおのやのTAC・田城弘一さんは話す。TACが婚活支援を行っているケースは全国的にも珍しいが、JAしおのやでは婚活支援をきっかけとして、担い手とのコミュニケーションを深めていきたい考えだ。
「婚活を入り口に担い手との関係を築き、営農支援や経営支援などにも関係を広げていければと考えています」
 と、営農支援課課長の小口章さんは話した。

※JAしおのやでは機構改革により、16年度から結婚相談事業を営農企画課で行うこととなった。今後も担い手をはじめ地域の婚活支援に力を入れていく。

(※『地上』2016年6月号より。)
情報は取材当時のものです。


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