食と農のウェブマガジン Pikkari

JA青年組織に加入

FILE No.5 「盟友」として担い手とともに歩む JA青年組織に加入

兵庫県 JA丹波ささやま

JA丹波ささやまは、TAC全員がJA青年部の盟友になっているという、全国でも例のないJAだ。担い手盟友の原智宏さんは、全国のTACにJA青年組織への加入を呼びかける。

水稲35ha、黒豆10haなど計50haを経営する原さん(右)と、JA丹波ささやまTACの松田さん

「いまJAに求められているのは担い手との距離を近づけること。それなら若いTACが青年部の盟友になるのがいちばんいいと思いますよ。顔を合わせる機会が増えて、気心が知れますから」
 兵庫県JA丹波ささやま青年部の盟友で、2015年度JA兵庫県青協委員長・JA全青協理事の原智宏さん(37)はこう話す。そのとおり、JA丹波ささやまのTACは全員が青年部に加入しており、原さんたちと深いコミュニケーションがとれているという。
「ぼくらも盟友として、農業者、JA職員の分け隔てなく対等に接していますし、飲み会の席などでぼくら担い手は経営の正味の話を包み隠さずしています。それをTACのメンバーも聞いているから、レベルがどんどん上がる。年配の経験豊富なTACじゃなくていいんです。むしろ、昔の常識に染まっていない若いTACのほうがいい。時代の変化についていける若い人材が、ぼくらの経営のこともわかったうえで提案をしてくれれば、いい意見交換ができます」
 JA丹波ささやまのTACの一人・松田隆広さんは次のように話す。
「農業情勢の変化に対応している担い手にたいして、JAがいままでどおりの対応をしていたら、支持は得られません。変化への対応は強く意識しています」
 その成果の一つが「丹波ささやまこだわり米」だ。松田さんたちJA丹波ささやまのTACがJA全農兵庫のTACと連携し、担い手に提案して2015年にスタートしたこの米は、化学肥料(窒素成分)、化学合成農薬を慣行基準の2分の1以下にする特別栽培に加え、品質向上のために田植え日を通常より遅い5月下旬とし、色彩選別機にかけるなどの要件を満たした米だけに絞った新ブランドである。
「米は全量を消費者に直販していましたが、これはおもしろい取り組みなのでぼくも参加しています」
 と、原さんもこの取り組みを評価する。

担い手とJAトップ層のパイプ役

 そんな原さんがTACにもっとも期待する役割は、担い手とJAトップ層とのパイプ役だという。
「盟友として、TACはぼくら担い手の経営のことも考えながら事業を提案してくれているという信頼がある。それに、TACを設置して担い手対応を強化しようとしているJAの姿勢も評価しています。だからぼくらもTACを通じて、JAへの要望をどんどん伝えるんです。担い手が利用しやすいJAになってほしいから。ぼくらが考えていることとJAが考えていることの間にはまだまだ多くのギャップがあって、その溝は埋まっていないけれど、TACができてから担い手のJAにたいする見方は変わったと思いますよ。ぼく自身も、これまでは自分の経営をよくすることしか関心がなかったけれど、周囲で離農が進んでいることもあって『地域』を意識するようになった。担い手とJAが協力しなかったら、地域農業の今後はないでしょう。そのつなぎ役がTACなんです」

(※『地上』2016年6月号より。)
情報は取材当時のものです。


雑誌『地上』の最新号と購読のご案内はこちらへ