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囲んでほっこり

【ふるさとの鍋】 きりたんぽ鍋 母から子へ継ぐ米どころの技

2015.11.27秋田県大館市(JAあきた北管内)

調理が簡単で、具だくさんなのがうれしい鍋料理。歴史ある鍋から、食材の産地を応援するための新しい鍋まで、地域性を形にした鍋の魅力を紹介します。

きりたんぽ鍋の発祥には諸説がある。一説によると、はるか昔、県北部で秋田杉の伐採のために山に入った人が、栄養補給のため、こねて丸めた米飯や、野菜を鍋に入れて煮こんだものが起源だという。  その食文化は現代に引き継がれ、とくに大館市や鹿角(かづの)市で食べられているが、その知名度はいまや全国区だ。ちなみに「きりたんぽ」とは、米飯を練って棒状にした「たんぽ」を切ったもののことをいう。

大館市内の金物屋では「きりたんぽ焼き器」も販売

きりたんぽ鍋に使われる具材。セリは最後に鍋へ

JAの女性部員は、地域やJA が開くイベントできりたんぽ鍋を振る舞うことも

市内では、毎年10月に「本場大館きりたんぽまつり」が開催される。 そこで提供される「本場大館きりたんぽ鍋」には、たんぽ、比内地鶏(ひないじどり)のがらから取っただし汁、比内地鶏の肉、ゴボウ、キノコ、ネギ、セリの七品を使うことが必須とされている。きりたんぽ鍋を扱う店では、サトイモ、糸こんにゃく、食用ギクを使用しているところもある。
家庭では、具材が少なくなった場合、締めのうどんや米飯を入れるのではなく、たんぽとだし汁を追加する。JAあきた北女性部の髙坂カヨ子さんはこう言う。 「たんぽをたくさん食べることで米の消費拡大につなげる、米どころならではの食文化だと思います」また、きりたんぽ鍋は、家族のきずなを強めてくれる料理でもあると、女性部部長の安部千鶴子さん(62)は説明する。 「市内のどの家庭でも、幼い頃から親といっしょにたんぽを作ります。それ以外にも、子は間近で、親がきりたんぽ鍋を作る様子を見ています。なので、自然と親から子へ、きりたんぽ鍋の作り方が引き継がれるんです」

JAあきた北ライフサービスでは、贈答用に文字入りのたんぽを販売。問い合わせは☎0186-55-1411まで

しょうゆ味のだし汁がしみた、きりたんぽは絶品(写真●鈴木加寿彦)

たんぽの作り方(5人分)

切った「たんぽ」を入れることから、きりたんぽ鍋と呼ばれる。炊いたご飯を練って作った「たんぽ」は鍋の命であり、米どころ秋田ならではの技。
❶ふつうに炊いたご飯500g をすり鉢に入れ、すりこ木などで米粒の形が少し残る程度までつぶしてこねる。
❷ 100g ずつ取り出してだんご状にし、真ん中に串または割り箸を刺す。
❸厚さ1.5cmほどになるまで、生地を串に沿って伸ばす。
❹まな板の上でたんぽを転がし、形を整える。
❺オーブントースター(1000W)で約5 分焼く。表面がきつね色になり始めたらできあがり。焼くときは串が焦げないよう、持ち手の部分にアルミホイルを巻くとよい。

(※『家の光』2015年1月号より。)
情報は取材当時のものです。

写真鈴木加寿彦
調理

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