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【日本ワイン新時代】 農家がワイン造りを学べる委託醸造ワイナリー

2016.11.0810R(トアール)ワイナリー 北海道岩見沢市(JAいわみざわ管内)

“日本ワイン”とは、日本で育てられたブドウだけで造られたワインのこと。近年飛躍的においしくなったと注目され、ワイナリー(醸造所)も年々増加中です。「ワインは農作物」と話すワインジャーナリストの鹿取みゆきさんが各地のワイナリーを訪ね、その魅力をお伝えします。

「10Rワイナリー」は岩見沢駅からタクシーで15分。上幌一帯を見下ろす斜面に開かれた畑の植栽面積は1.6ha。敷地全体では 14haある

「10Rワイナリー」は、北海道空知地方の岩見沢市にある。立ち上げたのはカリフォルニア州のワイン産地からやってきたブルース・ガットラヴさんだ。栃木県の「ココ・ファーム・ワイナリー」の取締役兼栽培醸造責任者として、ワイン造りを担ってきた。自社畑の面積から考えると、ワイナリーの面積がかなり大きくみえる。というのも、このワイナリーが委託醸造を目的とした、日本初のワイナリーだからだ。
 設立の理由を彼はこう語る。
「北海道のワインの知名度アップのためには、ワイン用ブドウの畑が増えることもたいせつですが、ワイナリーも増えてほしい。わたしはブドウ農家さんがワイナリーを立ち上げられるようなインキュベーター(孵化(ふか)器)になりたい」
 農家はワイナリーでガットラヴさんの指導の下、技術を学べて、さらには委託醸造で造られたワインを販売することで、販路の開拓もできる。
 空知を選んだのはなぜだろうか?
「空知は北海道の真ん中に近い。いま注目されている後志(しりべし)地方の余市町以外でもワイン造りを活発にしたかった。そのほうが北海道のワインがもっと多様になる。そして、なによりも、かつて飲んだ空知地方のブドウを使ったワインにとても引かれたからです」
 初年度の2012年の委託数は6戸で、20tのブドウを仕込んだ。委託数は増え続けており、14年は14戸の農家から委託を受け、50t以上を仕込んだ。現在の仕込み量は最大限に近いが、巣立っていく農家がいれば、新たな委託依頼も受け付けられるというガットラヴさん。ただし北海道の農家限定だ。
「もし、ブドウからワインを造ることに少しでも興味があるのなら、まずは気軽にワイナリーに話をしにきてほしい。農家さんと話をするなかで、なにがこれからできるのかを見つけていきたい」
 と思いを語っていた。
 こんな委託醸造のワイナリーが日本各地にあれば、日本のワイン産業は大きな変貌を遂げるにちがいない。

醸造場の敷地面積は300㎡、高さは約5m。50tのブドウを仕込める。小仕込み用の小さな発酵容器もそろう。畑では赤用4品種、白用7品種を栽培する。他に8品種も試験栽培中。これまで委託で醸造したワインは10種類以上

「ソーヴィニヨンブラン(森)」と「ピノノワール(風)」

DATA

10Rワイナリー
(合同会社10R)
住所/岩見沢市栗沢町上幌1123-10
☎0126-33-2770
http://www.10rwinery.jp/
ワイナリーでのワイン購入は不可。今年度のワイン販売時期・購入方法については詳細が決まりしだい、ホームページに記載予定
見学希望者は、電話またはメール(info@10rwinery.jp)で問い合わせを。繁忙期の9~11月は見学不可


※税抜き表記以外の価格はすべて税込みです。
※試飲や見学については、ワイナリーによって応対時間や予約の要否、試飲の有料・無料など、条件が異なりますので、訪問のさいは事前にワイナリーにお問い合わせください。

※『家の光』2015年11月号から。
情報は取材当時のものです。

鹿取みゆき
写真本田匡
調理

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