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【高校発のヒット商品】 豚みそ「更生之素(こうせいのもと)」 これひと缶でご飯がもりもり!

2016.02.15鹿児島県立伊佐農林高等学校 鹿児島県伊佐市(JA北さつま管内)

農畜産物・水産物の加工品を作る高校生の取り組みが、全国各地で話題を呼んでいる。地域に根づいた食材を使った名産品を売り出そうと試行錯誤する生徒の思いと行動は、いまや、地域おこしに欠かせない存在となっている。

豚みその製造実習に参加した生徒たち。豚みそで「いただきまーす」

 鹿児島県の北部にある伊佐市は、寒暖の差が大きいため良質の米がとれ、「伊佐米」の名は広く知られている。そんな地域のもう一つの自慢が、83年の歴史を持つ、伊佐農林高校製の豚みそ「更生之素」だ。 豚みそとは、豚肉にみそ、調味料などを加えて煮つめたもの。鹿児島では家庭料理の一つとして、古くから親しまれている。
「県内各地の農業高校で豚みそが作られていますが、うちはその先駆けです。豚肉は学校で飼養している黒豚。麦みそも実習で作ったものです。肉は一頭まるまる、すべての部位を使っているから高級ですよ(笑)」
 と、食品加工担当の牧迫泰樹さん。食品加工専攻の生徒を中心に、生徒全員が在学中にかならず豚みそ作りに関わるという。

ひと缶180g 入りで税込み250 円(校内での販売価格)

伊佐農林高校は「鹿児島黒豚」の生産と後継者育成にも力を入れる

農村の未来を切り開く“更生”の素となれ

 伊佐農林高校で更生之素が誕生したのは、昭和7年。農村経済の更生と農民の健康を願ってつけられた名が「更生之素」だ。同年、全国農学校作品展で銀牌を受賞し、12年に商標登録。軍需品として買い上げられるなど、その認知度をますます高めていったという。
「昔から食べていましたね。だんだん飽きてきたかもしれない(笑)。でも、お土産には使っています」
 と、食品加工専攻の2年生、上大迫梓君。「伊佐農林に通っていると言うと、豚みそでしょ! って言われます」 と、同じく2年生の牛島将太郎君。
 製造方法とレシピは、昔からほとんど変わっていない。材料は豚ひき肉、麦みそ、三温糖、ショウガの4つと、いたってシンプルだ。

回転式二重蒸気釜でまず豚肉を炒め、三温糖、みそ、ショウガを加える

作業は分業。できたての豚みそを一つ一つ缶に入れて計量

「肉がジューシーで、麦みそが脂のうまみを引き出して、コクのある味です。ご飯のおかず以外に、ぼくは食パンにぬって焼いて食べるのも好きです。牛丼にのっける人もいます」と、2年生の小野原優真君。「今は年間約3万缶を製造します。生徒たちには豚みそ作りを通じて、長い伝統を守ることと、加工現場における衛生のたいせつさを学んでほしいですね」(牧迫さん)
「春と秋の農林館祭りでは、豚みそを目当てにたくさんの人が来てくれます。『もっとたくさん作って!』という人たちのためにも、安心して食べられる豚みそを作っていきたい」と生徒たちは声をそろえる。

「更生之素」
2、3 月を除く毎月、1 週間かけて実習で豚みそを製造。現在の生産量は年間約3 万缶。伊佐市内をはじめ、県内各地の特産物売り場などで販売。
鹿児島県立伊佐農林高等学校 伊佐市大口原田574
☎ 0995-22-1445 
FAX0995-22-1446
http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/Isa/top.html

※『家の光』2015年4月号から。
情報は取材当時のものです。

写真村上光明
調理

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