夏といえばカレーの季節。 最近では「ご当地カレー」という言葉もあるように、地域の特産品を使ったユニークなオリジナルカレーが各地で生まれています。 地域の農産物を守り育てる、GOOD! なカレーを紹介します。


市観光協会と北本トマトカレーの会では、レトルトカレー(税込み540円)を開発し、平成26年10月から販売している。フレークタイプのカレールー(税込み570円)もある

「うちらしい北本トマトカレーにするために、イタリア料理店らしくライスをリゾットにすることにしました」と開発経緯を話す佐藤さん

北本トマトカレーの誕生は7年前。発案者は地元で年間約70トンのトマトを生産している農家・加藤浩さんだ。加藤さんは、平成23年に開催された市のB級グルメレシピコンテストに、知人と考案したトマトカレーとトッピングの「プチトマトの豚バラ肉巻き揚げ」で応募して優勝。同年秋の第9回「埼玉B級ご当地グルメ王決定戦inきたもと」でも優勝した。
「家では規格外品のトマトを煮こんで、パスタやカレーに加えて食べていました。だからトマトカレーのおいしさは、知っていたんです」
と話す加藤さん。さらに改良を加えたレシピで各地の有名グルメコンテストで優勝し、全国的に有名になった。
加藤さんは現在、北本トマトカレーの会の副会長として、地域の仲間と共に普及活動に尽力している。
「まずたいせつなことは、地域の人にトマトカレーが愛されること。カレーを入り口にして、店のファンを作り、さらに北本市の魅力とおいしいトマトの存在を全国にPRしたいです」
と力強く語る加藤さん。トマトカレーの町から、特産トマトの魅力をこれからも全国に発信していく。

加藤家の北本カレー。自家製のトマトライスとプチトマトの豚バラ肉巻き揚げがおいしさのポイント

加藤トマト園では『りんか409』や『シシリアンルージュ』など、5種類のトマトを栽培している。 収穫期は2月から7月まで
文 | 植田美智代 |
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写真 | 加藤熊三 |
調理 |
北本市は歴史あるトマトの産地。そして今では「北本トマトカレー」の町として知られる。平成24年には北本市観光協会が中心となって「北本トマトカレーの会」が設立され、地域の活性化をめざして普及活動を開始。「北本トマトカレーの定義」を定めた。
認定の条件は、
一、ライスをトマトで赤くすること。
二、ルーにトマトを使用すること。
三、トッピングにトマトを使用すること。
現在は13の飲食店が認定を受け、地域を盛り上げている。
イタリア料理店のcucinA Dでは、チーズ入りのトマトリゾットと季節の野菜をふんだんに盛り込んだトマトカレーに、湯むきトマトとグリーントマトのピクルスを添えた個性的な北本トマトカレー(税込み1000円)を提供し、人気を呼んでいる。オーナーシェフの佐藤大輔さんは、次のように説明する。
「トマトカレーのベースは、店の賄い料理。トマトライスは、イタリア料理店らしくリゾットにしています」