夏といえばカレーの季節。 最近では「ご当地カレー」という言葉もあるように、地域の特産品を使ったユニークなオリジナルカレーが各地で生まれています。 地域の農産物を守り育てる、GOOD! なカレーを紹介します。

じっくりと炒めたタマネギとスパイスの香りがヨモギとよく合い、風味豊かなカレーに仕上がっている

池田町の中央を流れる足羽川の河川敷にはヨモギが多く自生している

沸騰した湯に重曹を入れて、ヨモギを色鮮やかにゆであげる

ヨモギはミキサーでペースト状にしてからカレーに入れている。提供直前に加えるのがコツだ
使用するのは多彩なスパイスと鶏肉、そしてペースト状にしたヨモギ。南田さんのレシピをベースに、フレミズのメンバーが試行錯誤を重ね、完成させたという。
「苦労したのは、ヨモギの鮮やかな緑色をどう出すか。色をきれいに出すため、提供直前に入れるなど、いろいろ工夫を重ねました」
現在のフレミズ会長の松井朱美さんは、この自信作に胸を張る。
スパイスの香りと鶏肉のうまみが詰まったカレーにヨモギの風味が加わることでコクがアップ。新芽だけを使うので、独特の苦みは気にならず、子どもでも食べやすいと人気だ。 今ではイベントで販売があると聞いて、これを目当てに来訪する人も増え、商品化を期待する声も聞かれるとフレミズのメンバーは話す。
「すごく手間がかかるカレーですが、作るたびにメンバーの連帯感が強まっていくことを実感します。そして、池田町の自然を詰め込んだこのカレーで、町の魅力を多くの人に知ってもらえれば最高ですね!」
文 | 野上知子 |
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写真 | 前田博史 |
調理 |
田町は面積のおよそ92パーセントが森林という自然豊かな里山。春になれば、さまざまな山菜が芽吹くこの町で、おととし誕生したのが「池田グリーンカレー」だ。まるで池田町の自然を映したような、爽やかな緑色の主役はヨモギというから驚きだ。
JA池田女性部では以前からイベント時に料理を作って出店するなかで、新メニューの開発が課題に。そこで、女性部の中でもフレッシュミズならではの新しいアイデアを求めたところ、候補に挙がったのがこのヨモギカレーだった。
「池田町の人にとってヨモギは山菜同様に春の芽吹きが待ち遠しい身近な食材なんです。ちょうどフレミズの南田則子さんの夫がスパイスカレー作りの達人ということもあって、フレミズさんたちがヨモギカレー作りに乗り出してくれたんです」
と、JA池田女性部副部長の内藤政美さんと元フレミズ会長の本山律子さんは笑顔で話す。