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柔軟な発想や熱意で大人気

【高校発のヒット商品】 えだまメンチ めざせ!B‐1グランプリ

2016.02.15群馬県立利根実業高等学校 群馬県沼田市(JA利根沼田管内)

農畜産物・水産物の加工品を作る高校生の取り組みが、全国各地で話題を呼んでいる。地域に根づいた食材を使った名産品を売り出そうと試行錯誤する生徒の思いと行動は、いまや、地域おこしに欠かせない存在となっている。

学校で農業を学ぶ生徒たちが研究成果を発表する農業クラブで、「えだまメンチ」は全国大会に出場。そろいの法被で気合い十分

 群馬県沼田市を横切る国道120号に、「上州沼田とんかつ街道」と呼ばれる一帯がある。10kmほどの区間にわたって10数軒のとんかつ屋が点在し、多くの店先に「沼田の新名物 えだまメンチ」という緑ののぼりが掲げられている。
 えだまメンチとは、利根実業高校の生徒が考案したエダマメ入りのメンチカツである。群馬県のエダマメは夏期の首都圏向けの出荷で随一のシェアを誇り、その主産地が沼田。この特産を生かした商品の開発を、市から依頼されたのがきっかけだ。

「エダマメを粒のまま入れると、ひき肉の結着力を損なってボロボロとくずれてしまうんです。逆にすりつぶしたエダマメだけを混ぜこむと、風味が足りなくなる。縦に割った豆とすりつぶしたものを半々で用いることで、問題を解決しています」
 と、3年生の荒井拓也君は商品開発の経緯を説明する。
 生徒みずからイベントで販売するほか、現在、「カレーハウスCoCo壱番屋」沼田インター店をはじめ、緑ののぼりを目印に掲げた市内14の飲食店でメニューに採用。こうした店舗やイベントでの総売り上げは3000万円を超え、経済波及効果は6000万円を下らないという。

「上州沼田とんかつ街道」に加盟する飲食店主が集まり、利根実業高校の生徒たちと交流した

えだまメンチのレシピは、試行錯誤の結果。今後は、材料の供給体制などをさらに整えていくという

地元の熱い思いがバックアップ

 えだまメンチを支えるのは、高校生と大人の連携の輪だ。商標の登録や管理などの事務局機能は市の観光交流課が、イベントや学校給食用の冷凍食品の製造は地元の食肉加工業者がおこない、とんかつ街道の飲食店がそれぞれ独自のえだまメンチを販売する。まさに産・官・学一体の取り組みとして展開しているのだ。
「生徒たちの奮闘に応えて、赤い糸で結ばれたかのように熱い人たちが集まってくれました。ほんとうにいろいろなタイミングがよかったと思います」
 と、プロジェクト発足時から関わる生物生産科の野澤次男教諭は語る。

店によってさまざまなえだまメンチ。これは「食事処あづま」のもの

「食事処あづま」の店主の東さん(写真中央)

 とんかつ街道にある「食事処あづま」の店主・東進さんも、交渉に訪れた生徒たちの熱意に打たれ、えだまメンチを出すようになった。 「高校生がこんなにがんばっているのに、やらないわけにはいかないですよ。カボチャを加えたり、季節に合わせて中身を変えたりする工夫もしています。今では寝ても覚めても新メニューのことを考えています」
 同店のえだまメンチのホワイトソースがけは、会心のできだという。
 名実ともに新名物として定着しつつあるえだまメンチ。ご当地グルメの祭典「B−1グランプリ」への出展もめざしている。この春に卒業し、後輩にバトンを渡す荒井君は言う。
「商品のヒットはもちろんうれしいことですが、最大の目標は地域活性化。B−1グランプリに向けての一つ一つの活動が、結果として地域を盛り上げることにつながればいいと思います」

※『家の光』2015年4月号から。
情報は取材当時のものです。

写真家の光写真部
調理

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